今回は異なる文化に思いをはせることができる物語を2つ紹介します。アイキャッチ画像はphotoACから。
私は日本の小説、海外の翻訳小説どちらも好きです。海外の小説は名前がわかりにくくて・・という意見もよく見かけますがカタカナで表記されている限り私はあまり気になりません。名前のわかりにくさであればむしろ中国の小説のほうが読んでいてわからなくなります。私の場合、わかりにくくなってしまう原因は発音かもしれません。頭の中で発音できないと誰が誰だかわからなくなる。。。脱線してしまったのでもとに戻ります。
1冊めはイタリアの哲学者「ウンベルト・エーコ」の超絶面白小説「薔薇の名前」です。

14世紀イタリア北部の山岳地帯にあるカトリック修道院で起こった殺人事件をバスカヴィルのウィリアムと呼ばれる修道士と、その弟子が解き明かしていく、ジャンルで言えばミステリー、推理小説に入るものだと思います。
キリスト教以前からの文書を収蔵している巨大な修道院の書庫、写本を行っている修道僧たちと犠牲者、見てはならない禁書、書庫の迷宮、狂信的な老僧と異端と蔑まれている僧、宗派論争、異端審問官、僧と平民、聡明だが秘密を抱えているウィリアム。ミステリーとは言いながらペストの大流行からルネッサンスに向かっていくヨーロッパを背景にした当時の雰囲気がこれでもかというくらい詰め込まれています。
カトリック文化の一端を興味深く味わうことができる作品と思います。
次の一冊は「ドストエフスキー」の「悪霊」です。書棚から下巻しか見つけることができなかったので書影は一冊です。リンク先は亀山郁夫さんによる新訳で3分冊になっています。

こちらは帝政ロシアの力が衰え革命運動家たちの活動によって不安定で暗い時代を迎えているロシアの地方を舞台にした群像劇とも呼べる物語です。
一応主人公と呼べるのは「スタヴローギン」という知性と美貌を兼ね備えた貴族です。彼は恵まれた出自にも関わらず革命思想を持ちかつ冷酷で虚無感に満ちています。周りにいる優しい人、愚かな人、情熱的な人、保守的な人など様々な人々が彼によって残酷な仕打ちを受けたり、殺されたり、殺す側に回ったりしていきます。
若いころ頑張ってドストエフスキーの作品に挑戦しましたが、その中では圧倒的に面白小説だった記憶があります。
ソ連からロシアに変わり、今でも世界に存在感を示しているロシアの人たちと、自分たちとの違いについても考えることができる作品だと思います。
どちらも映画化されていて面白い作品でした。小説、映画どちらも日本人的とは全く違う世界観を味わえるオススメ作品です。
終わり
