2026年の本紹介シリーズ最初は「街道をゆく」です。 アイキャッチ画像はPhotoAC から。

「街道をゆく」は司馬遼太郎 さんが1971年から1996年まで週刊朝日に連載した紀行シリーズです。影響を受けたというよりも、このシリーズがあるから私は生きていけると言っても言い過ぎではないシリーズです。図書館で単行本を借り出して読み始めてから何周も読み、その後文庫版で買い揃え、事あるごとに読み返しています。不安に苛まれたとき、憎しみや怒りに蝕まれていると感じた時。心の安定剤の役割を果たしてもらっています。
紀行と表現してしまうとなんだかイメージが伝わらないような気がします。ガイドブックになることを目指したものでは全くありませんので情報を意図した事柄は何も載っていないです。ですが心を旅に誘ってくれます。
司馬遼太郎さんがある日思い立ちあのあたりに行ってみようと思い同行者を誘い、歩きやタクシーで(その場で行く場所を考え)移動しながら、同行者やタクシーの運転手、宿の人々、寺社の住職や神職、郷土史家などと語らい、またその場所でかつて生きた人々や起こった事に思いを馳せる。私の言葉で表現するとそんな本になります。食べ物はカツ丼やカレーようなものしか食べないし、史跡を訪ねても山の上にあって登るのが大変そうだと行かないです(^^;)。
その場所で生きて生活している人々と、その場所でかつて生きた人々に対する柔らかな畏敬の念が私を安心させてくれるかなと思います。
「湖西の道」で連載が始まったのが司馬遼太郎さん48才のときなんですね。もう自分と誰かのいつかの年齢を比べるのはやめましたが少し恥ずかしくもなります。
全巻のタイトルをWikipedia から持ってきました。
- 湖西の道、甲州街道、長州路ほか
- 韓のくに紀行
- 陸奥のみち、肥薩のみちほか
- 郡上・白川街道、堺・紀州街道ほか
- モンゴル紀行
- 沖縄・先島への道
- 大和・壺坂みちほか
- 熊野・古座街道、種子島みちほか
- 信州佐久平みちほか
- 羽州街道・佐渡のみち
- 肥前の諸街道
- 十津川街道
- 壱岐・対馬の道
- 南伊予・西土佐の道
- 北海道の諸道
- 叡山の諸道
- 島原半島、天草の諸道
- 越前の諸道
- 中国・江南のみち
- 中国・蜀と雲南のみち
- 神戸・横浜散歩、芸備の道
- 南蛮のみちI
- 南蛮のみちII
- 近江散歩、奈良散歩
- 中国・閩のみち
- 嵯峨散歩、仙台・石巻
- 因幡・伯耆のみち、檮原街道
- 耽羅紀行
- 秋田県散歩、飛騨紀行
- 愛蘭土紀行I
- 愛蘭土紀行II
- 阿波紀行、紀ノ川流域
- 白河・会津のみち、赤坂散歩
- 大徳寺散歩、中津・宇佐の道
- オランダ紀行
- 本所深川散歩、神田界隈
- 本郷界隈
- オホーツク街道
- ニューヨーク散歩
- 台湾紀行
- 北のまほろば
- 三浦半島記
- 濃尾参州記
なかでも何度も読み返してしまうのが「湖西の道」「叡山の諸道」「中国・江南のみち」「中国・蜀と雲南のみち」「愛蘭土紀行」「オランダ紀行」「本郷界隈」あたりです。
とても味のある同行者であり、挿絵も描かれていた「須田剋太」さんの存在も私にとっては大事なものです。文庫版はおそらく挿絵が少なくなっていると思うのですが、須田剋太さんの絵も切なくなるような旅情を掻き立ててくれます。

グワッシュという水彩絵具で描かれたもので連載や本ではモノクロなのですが、私は画集をいくつか購入して時々見返しています。
終わり
