ロンサム・カウボーイ

2025年最後の私が影響を受けた本を紹介するシリーズなので、ただただ好きなだけな本と作者を紹介します。キャッチ画像はphotoACから。

記事のタイトルにもしました片岡義男著 「ロンサム・カウボーイ」です。書影は私が1980年台前半に購入した角川文庫版です。こちらは既に絶版で、復刻版が晶文社から出ていますね。私の本はもうボロボロでページも赤く焼けてしまっていますがこの表紙がとても好きです。

表紙も好きなのですが何といってもタイトルが断トツ一番に好きです。日本語にすると”孤独なカウボーイ” みたいになるのだと思いますけれど、もう “ロンサム・カウボーイ” でなくてはいけません。

アメリカの様々な場所と人を舞台にした短編集です。トラックドライバー、巡業を続ける歌手、スタントマン、街々を巡って生きるハスラー、貨物列車にただ乗りして移動を続けるホーボー。。。。広いアメリカの国土の中をさまざまな理由で(あるいは理由もなく)移動を続ける孤独な「私」が、かすかに「誰か」と触れ合って別れていく。そんな情景を荒野に吹く風のような淡々とした言葉で切り取った物語集です。

片岡義男さんの作品には心象風景や空気のようなものは描かれておらず、私(I)が何を言った、何をした。あなた(You)が何を言った、何をした。IとYouから見える風景。ほぼそのようなものだけから構成されています。それが若かった私に清涼で誠実な何かとして突き刺さったのかもしれません。そして今にいたるもその感じ方は変わらないです。

片岡さんは多作な人で自分でも良く覚えていない作品のほうが多いらしいです。小説家として比較的名前が知られている作品は「スローなブギにしてくれ」や「彼のオートバイ、彼女の島」あたりじゃないかと思います。他に何度も読み返している作品には「いい旅を、と誰もが言った」「幸せは白いTシャツ」などががあります。それら小説作品とは別に「何か」についてかかれた文章を集めた本も沢山出版されています。

その中から私が所有していて、誰にでもおススメできる(がしかし紙の本は絶版しています)本をいくつか紹介したいと思います。

一つめは「本」について書かれた文章をあつめた「ブックストアで待ちあわせ」です。主にアメリカで出版されている本や写真集について語っています。あー欲しくなる。

続いては「アート分野の本」について書かれた文章を集めた「紙のプールで泳ぐ」です。写真集や画集などについて語っています。評論でも感想でもない何かで私はとても好きです。あー欲しくなる。

そして最後は古いアメリカの雑誌に掲載されていた「自動車広告(^^)」について語っている「赤いボディ、黒い屋根に2ドア──アメリカの雑誌広告でたどる275台の自動車の容姿」です。乗り物好きの人は読んで楽しいと思います。私もこの本を繰り返し読んでしまう大きな理由はそれなんですが、言葉や画像による表現について考えさせられたもします。あーアメ車は欲しくならない。

以上、ただ好きなことを書いただけ記事でした。年の終わりはこんな感じでも良いでしょう。

終わり

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この記事を書いた人

弊社代表取締役です
18才からプログラミングを仕事にしてきました
紙の本と歩くことが好きです

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