プログラミング愛好者たちの記録

キャッチ画像は Jcassara86, CC BY-SA 4.0 , via Wikimedia Commons

AIによるプログラミングまでの記事 (続き) を書いたので、今度はかなりハッカー的な人たちのプログラミングについて書かれている私の好きな本をいくつか紹介します。

最初の本は ハッカーズ : スティーブン・レビー著 (ハッカーズ: Wikipedia )です。著者のスティーブン・レビーはWIREDの編集にも携わっているジャーナリストです。日本語訳されているものだと「暗号化―プライバシーを救った反乱者たち」などがあります。

こちらの本は既に絶版になって久しいので新刊で購入することはできませんが、コンピュータの歴史に興味がある人には貴重な記録なので古書を見つけてみて欲しいです。

目次を下に転記しておきます。コンピュータが極々一部の人達にしか使えるものでなかった1950年台からマイクロソフト、アップルの誕生、そしてプログラミングが趣味や楽しみから大きなビジネスに変わっていくまで、主にそこに登場してくる個々人の活動を描いた伝記的な記録です。

第一部  真のハッカーたち 50年代と60年代のMIT
 [第一章] テック鉄道模型クラブ  
 [第二章] ハッカー倫理
 [第三章] 宇宙戦争  
 [第四章] グリーンブラットとゴスパー
 [第五章] 深夜コンピュータ配線会
 [第六章] キマッテル奴とダセェー奴
 [第七章] ライフ
第二部  ハードウェア・ハッカーたち 70年代のサンフランシスコ周辺
 [第八章] 動乱2100  
 [第九章] みんな神様になれる
 [第十章] ホームブルー・コンピュータ・クラブ  
 [第十一章] タイニーBASIC
 [第十二章] ウォズ  
 [第十三章] 秘密
第三部  ゲーム・ハッカーたち 80年代のシエラネバダ
 [第十四章] 魔法使いとお姫様
 [第十五章] 仲間たち
 [第十六章] 第三世代
 [第十七章] サマーキャンプ
 [第十八章] フロッガー
 [第十九章] アップルフェスト
 [第二十章] ウィザードvsウィザーズ
エピローグ 真正ハッカーの終焉

続いての書籍は「実録!天才プログラマー」こちらも既に絶版で出版社もありませんから新刊で入手することはできませんが、アンカーとしてAmazon のリンクを貼っておきます。

目次を下に転記しておきます。主にパソコン黎明期から、一般の人々広く使われるようになった時代までに重要なソフトウェアを書いた人々のインタビュー記事です。ビル・ゲイツがBASICインタープリタ作成にあたって作った疑似コードやメモなど貴重な資料が沢山記載されています。

チャールズ・シモニイ Multiplanの開発
バトラー・ランプソン Alto PCの開発
ジョン・ワーノック PostScriptの開発
ゲァリー・キルドール CP/Mの開発
ビル・ゲイツ BASICの開発
ジョン・ペイジ PSF‐FILE
C.ウェイン・ラトリフ dBASE2
ダン・ブリックリン VisiCalcのデザイン
ボブ・フランクストン VisiCalcの開発
ジョナサン・サックス ロータス1‐2‐3の開発
レイ・オッジイ Symphonyの開発
ピーター・ロイゼン T/Maker
ボブ・カー Frameworkの開発
ジェフ・ラスキン マッキントッシュ生みの親
アンディ・ハーツフェルド マッキントッシュOSの開発
岩谷徹 パックマンの開発
スコット・キム Inversions for the Macintoshの開発
ジャロン・ラニアー Moon Dustの開発
マイケル・ハーレイ SoundDroid用ソフトウェアの開発

最後に紹介するのはそれがぼくには楽しかったから: リーナス・トーバルズ + デイビッド・ダイヤモンド 著 です。こちらも既に絶版ですねぇ。絶版書しか紹介していませんねぇ・・・

書影のカバーが切れてしまっているのは私物なためです。

こちらは言わずと知れたLinuxの生みの親であるリーナス・トーバルズ のインタビューとインタビューなどを元に作成した記事、記録の本です。Linuxはスマートフォン、AI、IoT、WEBあらゆる分野の基礎OSとなっていて、直接的、間接的に恩恵を受けていないIT関係者はいないのではないでしょうか。

そのようなOSを一人でそして趣味で生み出したリーナス氏だけにフォーカスをあてた貴重な記録です。こちらも目次を下に転記しておきます。

序章 人生の意味 I

第1部 オタクの誕生

第1章 眼鏡と鼻と

第2章 初めてのプログラム

第3章 フィンランドの冬に

第4章 トーバルズ家誕生秘話

第5章 高校時代

第6章 大学と軍隊

第7章 フィンランド再び

第2部 オペレーティング・システムの誕生

第1章 シンクレアQL来る

第2章 人生を変えた本
第3章 ユニックスを学ぶ
第4章 三台目のコンピュータ
第5章 プログラミングの美しさ
第6章 ターミナル・エミュレーション
第7章 誕生
第8章 アップロード
第9章 著作権の問題
第10章 ミニックス対リナックス
第11章 ウィンドウとネットワーク
第12章 恋人!

第3部 舞踏会の王

第1章 初めてのアメリカ
第2章 商標登録
第3章 就職
第4章 シリコンバレーにようこそ
第5章 リナックスの成功
第6章 不協和音
第7章 株式公開
第8章 コムデックス
第9章 リナックス革命は終わったか?
第10章 押しつけるな!
第11章 舞踏会
第12章 サポート
第13章 知的財産権
第14章 コントロール戦略の終焉
第15章 楽しみが待っている
第16章 なぜオープンソースこそ筋が通っているのか
第17章 名声と富

終章 人生の意味 II

プログラミングの歴史を1950年代くらいから2000年くらいまでを一部ですが辿ることができる書籍を紹介しました。ハードウェアによるプログラミングの時代からマシンコード、アセンブリ言語、C言語、さらに抽象度のたかい様々なプログラミング言語を使ったプログラミングの時代まで。

AIによるプログラミングの時代が訪れたとき、私の中に起こった感情は「私が愛した仕事がなくなってしまう」というネガティブなもの受け入れがたいと感じるものでした。

ただ、このような時代の変遷を振り返ってみると、それぞれの時代を生きていた人たちが、そこで熱中して取り組んでいたことが、次の時代には古くて振り替えられることが少ないものになっていき、新しい時代に新しい技術や事柄に熱中する人々が出てくる、あるいはそのように一人の人間も変わっていくということの繰り返しだということがわかります。

AIの時代もまた実際に手にする道具のレイヤが変わっただけで、そこで行われることの本質には(過去の時代変遷がそうであったように)変わりはないといういうのが今の私の落ち着きどころです。

2000年代以降の書籍については稿をあらためて書いてみたいと思います。

終わり

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この記事を書いた人

弊社代表取締役です
18才からプログラミングを仕事にしてきました
紙の本と歩くことが好きです

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