私が影響を受けた書物について書くシリーズの今回はデール・カーネギー著「道は開ける」です。影響を受けたというより生かせてもらったくらいの感じが正しいと思います。

書影はWikipedia(英語)から。道は開ける – Wikipedia
日本語版の題名「道は開ける」からは、努力すれば必ず成功するとか、成功者はこう考える、みたいな本なんでしょという想像されると思いますが、原題の”How to Stop Worrying and Start Living”を日本語に直訳すれば「心配するのをやめて生き始めるには?」で大分イメージ違います。内容はまさにこの原題通りです。
記憶はあいまいなのですが、最初に読んだのは20代前半だったと思います。人との関わり方や、自分自身のことが全くわかっていないのに、それでも自分への過信だけは充分にあるという状態で社会人生活を始めていた私は2、3年の仕事の経験から更に自分への過信を深めていってしまいました。そんな頃、自分はなんだってできるというナメた気持ちで取り組んだある仕事で大失敗をしてしまいます。
そんな状態に雄々しく立ち向かえたかというと全くそんなことはなく、人生で始めてといってもよい大きな失敗とそれが与える影響に対する恐怖感、実は何もできないということに気がついた不安、孤独、そのようなものに苛まれ日々生きていくのがやっとという状態に陥ってしまいました。
その中で手にとったのか、なんとか生き延びた後に手に取ったのか忘れてしまいましたが、自分が実は心配や不安に身も心も支配されてしまうということに気がつき、救いを探している時にこの本に出会うことができました。
何十年もたった今でも、心配や不安を克服できるようになったのかといえば、全くそういうわけではありませんが、少しは強くなり、心の動かし方も少しは学ぶことができるようになったのは、自分が弱い人間であり、このような弱さは極めて普通に人々が抱えているものであるということをこの本によって認識することができたからだと思います。
内容に関してはリンク先を見て欲しいですが各章のタイトルをつけておきます。
- 悩みに関する基本事項
- 悩みを分析する基礎技術
- 悩みの習慣を早期に断とう
- 平和と幸福をもたらす精神状態を養う方法
- 悩みを完全に克服する方法
- 批判を気にしない方法
- 疲労と悩みを予防し心身を充実させる方法
- 適職を見つけて成功する方法
- 経済的な悩みを軽減するには
- 私はいかにして悩みを克服したか
終わり